選手村分譲 五輪効果薄く
長野 100戸中売れたのは7戸だけ
長野市が鳴り物入りで売り出した長野冬季五輪の元選手村「今井ニュータウン」の分譲住宅販売が低迷し、市が売り込みに躍起になっている。
モデルルームの公開には5000人を超える見学者が訪れたにもかかわらず、売れたのは100戸中7戸。
受け付け締め切りは5日だが、「売れ残るのは確実」(市建設部)で、市は「元選手村」を前面に出した販売戦略を見直し始めた。
五輪期間中、スピードスケートの清水宏保選手やフィギュアスケートのタラ・リピンスキー選手(米)ら各国の選手・役員約三千人が宿泊した同ニュータウンは当初、分譲計画はなく、県職員や市営の賃貸用などだった。
その後、五輪ムードの高まりもあって、市は昨年9月、1032戸のうち100戸を分譲に回すことを決定。「市民の要望が高まった」と説明していた。
改装したうえで5月15日からモデルルーム公開が始まり、31日までに約5200人が見学するなど人気は上々に見えたが、「選手村を一目見たい」と観光気分で訪れる人が多かったようだ。
JR長野駅から電車で10分の今井駅から、徒歩5分。3DKタイプで広さ72~91平万㍍、価格が3190円から3980万円と、市は「周辺の相場より1、2割安い」としている。
市は第2次募集を検討するとともに、「元選手村」を強調してきた戦略を見直し、「緑が豊か」「生活に便利」とPRしていくという。
《出典》朝日新聞 (10/06/03) 前頁      次頁