雷から電子機器保護
鹿島が建物の電位技術
 鹿島は落雷時に建物内のコンピューターなど電子機器を守る技術を開発した。自動車を走行中に落雷に遭っても乗員が安全なのは落雷と同時に乗員の電位が上昇し、過剰電流が流れないためだが、この原理を建物に応用した。オフィスの情報化で雷対策が課題になっており、新築やリニューアル需要を掘り起こす。
 建物に雷が落ちると、電源線や通信線、コンセント、アース線から過剰電流が侵入し、パソコンや情報システムを機能停止させる恐れがある。雷の電流がより低い電位で動作するパソコンの半導体に流れ込み、回路を破壊するためだ。新技術は建物全体をまるごと同じ電位で覆うのが特徴。
 建物の各階を支えるデッキスラブと呼ぶ格子状の鉄筋駆体に電子機器のアース線を接続する。落雷と同時に建物や内部の機器の電位が一様に上昇し、雷電流が流れなくなる。現在、特許出願中。
《出典》日経産業新聞 (15/11/26) 前頁      次頁