自家発電で「自給自足」生活
屋根全体が太陽電池
ミサワホームは、屋根全面に太陽電池を配し、暮らしに必要な電力を基本的に自給できる住宅を7月から売り出す。
実験住宅などには例があるが、本格的な商品化は初めてという。
価格は従来のものとあまり変わらない水準に抑えるとしている。

同社が米国の太陽電池メーカーなどと共同開発した太陽光発電装置を使う。
表面が強化ガラスで、そのまま屋根に使える。
屋根の上に電池を置くのと違い、傷みや電気系統のトラブルが起きにくいという。
標準的なシステムで約10㌔ワットの発電能力がある。

新しく売り出す住宅は電気温水器で給湯し、炊事も電熱コンロや電子レンジでするなど、生活エネルギーをすべて電気にする。
夜間は電力会社から電気を買い、昼間は余った電気を売る。差し引き「自家発電」で基本的にまかなえるという。

自家発電で節約できる電気代は年間約20万円。
設置費用は500万円前後と見込まれ、通産省の補助金が100万円余り出るため、20年ほどで元がとれる計算だ。
基本的にメンテナンスは不要で、ガラスの掃除は有料で請け負う。価格は従来商品並みの坪(3.3平方㍍)当たり50万円前後に抑えたい考え。

初年度の販売目標は1000戸以上という。三沢千代治社長は「住宅が発電所にもなるわけで、温暖化防止やエネルギー問題の解決にも貢献できるのではないか」と話している。
《出典》朝日新聞 (10/04/08) 前頁      次頁