建設現場の写真/地理情報と連動管理 | |
---|---|
富士写と東洋情報システム | |
富士写真フィルムと東洋情報システムはデジタルカメラで撮影した大量の建設工事現場写真をGIS(地理情報システム)と連動させ、一元管理するシステムを共同開発した。撮影現場の位置情報を記録する手間を大幅に軽減、インターネットを活用してパソコンで自由に登録・検索ができる。建設省が二〇〇四年をメドに導入を進めている建設CALS(生産・調達・運用支援統合情報システム)を視野に、工事写真の電子データ処理を促進する。 新システムは建設現場の撮影者が業務用デジタルカメラと、最大十二個の衛星をとらえるハンディGPS(全地球測位システム)を携帯。撮影すると同時に経度、緯度の位置情報と衛星による正確な撮影時間が自動的に画像データに書き込まれる。 デジタルカメラからパソコンに写真を移し替える際には、パソコン画面上の地図にGPSによる情報を反映、撮影位置を視覚的に確認しながら作業できる。撮影者はインターネットを通じて撮影現場から直接、本社のサーバーに写真を電送、登録できる。 これまで工事事務所ごとに管理していた写真は本社のサーバーで集中管理する。検索する際は支社や事務所のパソコンからインターネットや社内LAN(構内情報通信網)を通じて本社のサーバーにアクセス。地図を見ねがら簡単に目指す現場写真を検索できる仕組み。 建設工事現場では施行後に障害が発生した時の責任を明確にする目的で大量の写真を撮影する。一工事で数千枚に及ぶこともあり、工事事務所では写真の整理、保管に多大な手間をかけている。建設関連の写真市場は年間三百億円規模で業務用市場全体の約六割を占めるとみられる。 富士写真フイルムが画像データベースを提供、東洋情報システムが写真管理システムの開発を担当した。デジタルカメラの急速は普及に加え、建設省がデジタル写真の管理基準を公表したことにより今後、急速に工事写真のデジタル化が進むとみられる。 システム価格は九百万円台から。両社は三年後に三十億円を販売する計画。 | |
《出典》日経産業新聞 (11/01/28) | 前頁 次頁 |