最近のことばから | |
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天声人語 | |
鳥取県の酒造会社の女性蔵人、西本恵美さん(23)。酒造りにかける思いを「自分の仕事は何百年も先人たちが続けてきたことのつなぎに過ぎない。悪い時代もあれば良い時代もある。そして良い時代が自分の時でなくてもいい」 故郷チベットに3つの小学校を建て、なお募金活動を続けている大阪在住の声楽家バイマーヤンジンさんが、その一つ、ダロン村ヤンジン第一希望小学校の開校式で。「私はお金持ちだから学校を建てたのではありません。みなさんにたくさん勉強してもらい、将来故郷のために役に立つ人間になってほしいからがんばってきたんです」。今後も1年に1校の建設を目標にする。「収穫はずっと先になるでしょう」 国際基督教大学教授(生物学)の風間晴子さん。日本の科学教育について。「プロセスを重視する教育は忍耐を要します。すぐに結果がほしい大人が待てないでいる。そのことがどれだけ子供たちや学生をつぶしているか。待つことは、実は最大の能力かもしれません」 出版社・宝島社の全面広告。〈21世紀最初の、今年の夏は、ハワイに行くより、グァムに行くより、沖縄に行くより、西海岸に行くより、タイに行くより、軽井沢に行くより、バリに行くより、香港に行くより、イタリアに行くより、みんなで参議院選挙に行こう。この国には、まだ掃除しきれていない20世紀が、いっぱいあると思う〉 非営利組織「北海道自然体験学校NEOS」の高木晴光さん。〈ご来光を拝み、爽快(そうかい)な気分を味わう体験をもった人は多いだろう。それは、夜明けの新鮮なエネルギーに触れたからだ。ところが、最近「日の出を見た」体験をもつ人すら減ってきている。夜明け体験をするのには今が絶好の時期だ。夏なら4時でも、今は朝7時ちょっと前に起きればいいのだ〉 | |
《出典》朝日新聞 (13/01/29) | 前頁 次頁 |